円形脱毛症は子供から大人まで、あらゆる年代で起こる可能性のある髪のトラブルです。また、円形脱毛症には5つのタイプがあり、症状の軽いものから重症化するものまで個人差があります。この記事では、円形脱毛症はなぜ発症してしまうのか、原因と対処法についてまとめてみました。正しい知識で症状の改善をしていきましょう。

円形脱毛症とはどんな病気?

円形脱毛症とは、前触れもなく頭髪が抜け落ちて、頭皮にコインのような形状などの脱毛斑が現れる病気のことをいいます。脱毛斑の形は、円形や楕円形などさまざまであり、大きさも豆粒ほどのものから頭皮全体に広がるものまで、個人差があることが特徴です。

また、脱毛部分に痛みは感じないため、小さな円形脱毛症では本人も気づかないうちに自然治癒してしまうケースもありますが、円形脱毛症を発症しやすい体質の人では一旦治ったとしても、5年以内に約4割の人が再発しているというデータがあります。

円形脱毛症は、あらゆる年代の男女に発症する可能性のある病気です。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症を発症する主な原因は、「自己免疫疾患」といわれています。自己免疫疾患とは、本来は体内に侵入してきたウイルスや細菌などの病原菌を攻撃して、体を守る免疫細胞のリンパ球がなんらかの原因で正しく機能せず、髪が生える段階の毛包を誤って攻撃してしまうために脱毛斑ができてしまいます。

リンパ球に攻撃された毛包は、縮んでしまい脱毛部分がツルツルとした状態になってしまうことが特徴です。円形脱毛症を起こす自己免疫疾患がなぜ起こってしまうのか、はっきりした原因は解明されていませんが、自己免疫反応を起こしやすい体質があるということはわかっています。

ストレスとの因果関係ははっきりしていない

一般的に強いストレスが体にかかると、円形脱毛症を発症するといわれますが、実際はストレスと円形脱毛症の因果関係ははっきりしていません。ストレスはあくまで円形脱毛症を起こす誘因の一つとされ、他にも感染症、自律神経の乱れなど、さまざまなきっかけが円形脱毛症を招くと考えられています。

円形脱毛症の5つのタイプ

円形脱毛症の症状では、コインの形状をした脱毛斑がよく知られていますが、他にも症状の現れ方で5種類の円形脱毛症に分類されています。ここでは、それぞれの特徴を見てみましょう。

単発型

単発型とは、いわゆる10円ハゲと呼ばれる、代表的な円形脱毛症のことです。単発型の脱毛斑の大きさは個人差があるものの、大きくても500円硬貨ほどのサイズまでといわれており、脱毛部分は1か所です。

多発型

多発型とは、頭部に2カ所以上の脱毛斑ができるタイプの円形脱毛症です。多発型は症状が進行すると複数の脱毛斑が一体化して大きくなる多発融合型になることもあるうえ、再発を繰り返すことがあります。

蛇行型

蛇行型(だこうがた)の円形脱毛症は、帯状の脱毛斑が後頭部や側頭部などの生え際に現れることが特徴です。

全頭型

全頭型は、多発型が進行して脱毛部分が頭部全体に広がるタイプの円形脱毛症です。全頭型になると、ほぼ全ての髪の毛が抜け落ちてしまいます。

汎発型

汎発型(はんぱつがた)は、もっとも重症の円形脱毛症であり、髪の毛だけでなく、まゆ毛、まつ毛、わき毛など全身の体毛が抜けてしまいます。

円形脱毛症の治療方法

症状の小さな円形脱毛症の場合は、生活リズムを整え栄養バランスのとれた食事を心がけることで自然治癒をすることもあります。しかし、円形脱毛症の原因は主に自己免疫疾患のため、セルフケアでは改善が難しいケースが多く見られます。次のような症状が現れたときは、皮膚科で受診を受けるようにしましょう。

  • 脱毛部分の進行が止まらない
  • 脱毛部分が広範囲に広がってきた
  • 脱毛部分が赤く炎症している
  • 長期間にわたり症状が続く
  • 何度も再発を繰り返している

これらの症状があてはまる場合は、専門の医師に相談して適切な治療を受ける必要があります。皮膚科を受診すると、検査の結果から症状に合わせて、次のような治療方法が選択されます。

1. 塗り薬・飲み薬

初期の円形脱毛症や比較的症状が軽い場合は、抗炎症作用、抗アレルギー作用のあるグリチルリチン、セファランチンなどの飲み薬と、炎症を抑えるステロイド、塩化カルプロニウムなどの塗り薬を組み合わせた治療が行われます。

2. ステロイド局所注射・雪状炭酸圧抵療法

長引く円形脱毛症には、脱毛が目立つ部分にステロイド薬を直接注射する方法や、ドライアイスで脱毛部分に刺激を加える雪状炭酸圧抵(せつじょうたんさんあってい)療法を行うことがあります。

ステロイド局所注射には、注射した頭皮がへこんだり、髪の毛の再生が部分的になったりする副作用があります。

3. ステロイド内服薬

急速に脱毛部分が拡大している症状には、ステロイドを内服する治療法もあります。しかし、長期間ステロイドを服用した場合、糖尿病などの副作用のリスクを高めるため、2~3か月ほどの期間を決めて使用されます。

4. 局所免疫療法

脱毛部分が広範囲におよび、症状が6か月以上も続いている場合は、局所免疫療法による治療が行われます。局所免疫療法とは、特殊な薬品を使って脱毛部分に軽いかぶれを起こすことで、リンパ球が毛包を攻撃することを抑える治療法です。

局所免疫療法は、円形脱毛症の治療において現在もっとも効果が期待できる治療法ですが、ひどいかぶれを起こす副作用のリスクもあります。

円形脱毛症の改善には早めの受診が大切

円形脱毛症は、毛包が休止状態なっているため髪の毛が育たなくなっています。そのため、病院で適切な治療を受けることで本来の機能をとり戻すことができれば、髪の毛の再生も可能になってきます。症状に気づいたときは、1人で悩まず早めに皮膚科で診察を受けましょう。

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